卵巣がんに対する妊孕性温存術式

卵巣がんの治療は病期によらず、手術と術後化学療法を行うことが標準治療です。卵巣がんの手術は、両側の卵巣と子宮の摘出に加え、腹腔内の病巣の検索や後腹膜のリンパ節の切除を行います。すなわち、標準治療においては両側の卵巣と子宮の摘出を行うため、治療後には将来の妊娠は不可能となります。

しかしながら、再発のリスクが低いとされる高分化型腺癌のIa期(腫瘍が片側の卵巣内にとどまる)や境界悪性腫瘍、化学療法の効果が高い胚細胞腫瘍の患者さんには、患側の卵巣を摘出し、対側の卵巣や子宮は摘出しない“妊孕性温存手術”を選択することが可能とされています。当院では現在のエビデンスやガイドラインに従い、適応を厳密に見極めたうえで、対象となる方には妊孕性温存術式を選択し行っております。

また当院は、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の参加施設として各種のがん研究を進めております。現在、このグループで実施している「上皮性卵巣癌の妊孕性温存治療の対象拡大のための非ランダム化検証的試験(JCOG1203試験)」にご参加いただくことで、上記の一般的な適応以外の患者さんに “試験治療” として妊孕性温存術式を適用できる場合があります。
詳細につきましては担当医にご相談ください。