産科

不妊検査について

初診後に不妊症に関連する一般検査を受けていただき、それぞれの患者さんに最適な治療をご提案いたします。
検査は月経周期に各時期に合わせて行う必要があります。ご予定を伺いながら丁寧な説明をして進めていきますのでご安心ください。すべての検査が終了しないと治療を開始しないということはありません。できる治療を進めていきながら、より適切な治療を選ぶための情報を集めていきます。他院で施行した検査結果をお持ちになっていただければそちらも活用いたします。


検査の内容

基本検査としては以下の項目を検査します。基本検査は自費検査以外は健康保険が適用されます。(健康保険適用には所定の手続きが必要です。「保険適用について」をご確認ください。)

<月経中(月経1~5日目)>
・ホルモン基礎値検査
 卵胞刺激ホルモン(FSH)・黄体形成ホルモン(LH)・エストラジオール(エストロゲン、卵胞ホルモン)
女性ホルモンは月経周期の中で大きく増減しますが、月経中はホルモンの数値が最も低くなるため基礎値として月経中にホルモンの採血をします。

<月経終了後>
・子宮卵管造影
 子宮内に細いカテーテルで造影剤を注入しX線撮影をすることで、子宮内の形や卵管の通過性、お腹の中の癒着の度合いなどを確認します。

<排卵前>
・経腟超音波検査
 子宮・卵巣を超音波で検査します。特に卵巣内の卵胞(卵子を入れる袋)のサイズを計測することで排卵の時期を推定することができます。卵胞は一般に1日に2mmずつ大きくなり20mmになると排卵します。

<排卵日>
・性交後検査/フーナー検査
 性交渉をしてから数時間以内に来院していただき、細い管を用いて子宮頸管や子宮内の粘液を採取して精子の数を確認します。腟内の精子が子宮内に入り込めているかを確認することで、人工授精の必要性を判断します。

<排卵1週間後>
・黄体機能検査
 プロゲステロン(黄体ホルモン)
排卵後にのみ上昇するホルモンを検査することによって排卵の有無とホルモン分泌が十分であるかを確認します。

<月経周期にかかわらず行える検査>
・プロラクチン
 乳汁分泌ホルモンとも呼ばれるホルモンで、このホルモンが高値の場合月経不順や排卵障害が起こりやすくなります。
・甲状腺ホルモン(TSH、FreeT3、FreeT4)
 新陳代謝を司るホルモンであり、多いとバセドウ病、少ないと橋本病などの疾患になります。甲状腺ホルモンの異常は不妊や不育、流早産の原因になります。
・精液検査(精液量、精子濃度、運動率、奇形率)
 不妊症全体の中で男性不妊が関与する割合は48%程度と言われているため、不妊検査として精液検査が重要となります。
・子宮頸部細胞診
 直接不妊症にかかわる検査ではありませんが、ホルモン剤などはがんに影響する可能性があるためがん検診が必要です。

<自費検査>
・クラミジア抗体価検査
・風疹抗体価検査
・抗ミュラー管ホルモン/AMH(体外受精の方は保険)

<追加検査>

基本検査の結果やその後に不妊治療の経過の中で必要と判断されたときには追加検査として以下の検査を行います。

・子宮鏡検査(保険)
・ホルモン負荷検査(保険)
・抗精子抗体検査(保険)
・診断的腹腔鏡手術(保険)
・TRIO検査(先進医療・自費だが混合診療可
 ERA(子宮内膜着床能検査)・EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム検査)・ALICE(感染性慢性子宮内膜炎検査)
・慢性子宮内膜炎検査/CD138免疫染色検査(自費・混合診療不可)
・夫婦染色体検査(自費・混合診療不可)
・着床前遺伝学的検査(自費・混合診療不可)

さらに詳しい内容についてはこちらをご参照ください。


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