生殖外科研究室

代表:
佐藤 健二 助教(Kenji Sato, M.D. Ph.D.)

1.軟性内視鏡を用いた新規卵管内環境を評価するシステムの構築

女性側の不妊原因の中で、卵管に何らかの異常が生じ、卵子のピックアップができない、卵管内で卵子や受精卵がスムーズに移動できないなど、卵管性不妊が最も頻度が高いといわれています。そこで、我々は軟性内視鏡を用いた、新たな卵管内観察法および評価法の確立に取り組んでいます。

卵管内画像
卵管内画像

2.卵管留水症における妊孕性低下の解明

卵管性不妊の中でも、卵管先端部(采部)の閉塞により卵管内に液体が貯留した、卵管留水症が存在すると、体外受精の成績が低下することが知られています。この原因として、貯留液の子宮腔への逆流が子宮内膜に炎症などの悪影響を及ぼし着床不全を惹起している可能性や、卵管貯留液自体が胚毒性となることなどが考えられていますが、客観的に明らかにした報告は少数です。本研究では、卵管貯留液または卵管洗浄液の炎症性サイトカインなどの解析を行い、妊孕性低下との関連を調べています。

3.外来子宮鏡手術 / 担当:升田 博隆 講師

子宮の内腔をのぞくための内視鏡(子宮鏡)を、腟から子宮の中に挿入して子宮内腔の様子をテレビモニター(画面)に映し出すことができます。検査では、径が5mm以下の軟性子宮鏡(ファイバースコープ)を用いるのが一般的ですが、子宮鏡検査で子宮内腔の良性病変(子宮内膜ポリープ・粘膜下子宮筋腫)を認めた場合は、必要に応じて治療用硬性子宮鏡を用いた内視鏡手術ができるか検討します。近年、子宮鏡器械の革新により細い治療用硬性子宮鏡が開発され、ヨーロッパを中心に日帰り子宮鏡手術が盛んに行われております。日本では、この子宮鏡手術は入院して行う施設が多い中、当院では細い治療用子宮鏡の導入により外来子宮鏡手術を先駆的に行っております。

4.子宮内膜症の病態解明および新規治療法の探索

子宮内膜症は、慢性疼痛や月経痛により女性のQOLを低下させるが、その他にも不妊症の原因となることや癌化の可能性があることなど深刻な問題を含む疾患である。現在、子宮内膜症の治療としては手術療法や薬物療法が存在するが、手術療法による卵巣機能の障害や薬物療法による排卵抑制など、現在の治療方法は妊娠を望む患者にとっては必ずしも有効な治療とはいえない。そこで、妊娠希望者にも使用できる新たな治療戦略の開発を目指し研究しています。